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神話『カイン』登場人物。DRAMATIS PERSONÆ. + ラヴェル: マ・メール・ロワ

神話『カイン』
CAIN, A MYSTERY.

バイロン卿ジョージ・ゴードン George Gordon, Lord Byron./萩原 學(訳)

登場人物。
DRAMATIS PERSONÆ.


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  • 男。MEN.
  • 霊。SPIRITS.
    •  主の使。 Angel of The Lord.*4
    •  ルシファー。 LUCIFER.*5
  • 女。WOMEN.
    •  イブ。EVE.*6
    •  アダー。 ADAH.*7
    •  ジラー。 ZILLAH*8

ルシファーの名を含め、おそらく本書はミルトン『失楽園』を下敷きにしたものと思われる。続編『復楽園』もあるのだが、それより自分なりの『失楽園』その後を書こうとした戯曲と位置付けて差し支えあるまい。

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ラヴェル: マ・メール・ロワ


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Ma Mère l'Oye とは「マザー・グース」の仏訳で、ラヴェル組曲は先ずピアノ連弾用に作曲され、次いで管弦楽に編曲された。

  1. 眠れる森の美女のパヴァーヌ(Pavane de la belle au bois dormant)
  2. 親指小僧(Petit Poucet)
  3. パゴダの女王レドロネット(Laideronnette, impératrice des pagodes)
  4. 美女と野獣の対話(Les entretiens de la belle et de la bête)
  5. 妖精の園(Le jardin féerique)

とっくに紹介したつもりでいたら、そんなことはなかった。ピアノ連弾はマルタ・アルゲリッチとパブロ・ヴァルド。

*1:創世記』に於ける「人」の創造は2章で語られるのに、「アダム」の名は4章の終わりに脈絡なく出現するのが初出で、それまでずっと「人」と呼ばれる。

創世記2章 7 主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。8 主なる神は東のかた、エデンに一つの園を設けて、その造った人をそこに置かれた。

4章 25 アダムはまたその妻を知った。彼女は男の子を産み、その名をセツと名づけて言った、「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代りに、ひとりの子をわたしに授けられました」。

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*2:創世記4章 人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。

*3:創世記4章 2 彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。

*4:口語訳聖書に於て「主の使」と呼ばれる存在は、ヘブライ語 mal’āḵ YHWH に相当する、神の言葉を伝える者であり、神の代理人として行動する。 en.wikipedia.org 『創世記』に於ては

16章 7 主の使は荒野にある泉のほとり、すなわちシュルの道にある泉のほとりで、彼女に会い、8 そして言った、「サライのつかえめハガルよ、あなたはどこからきたのですか、またどこへ行くのですか」。彼女は言った、「わたしは女主人サライの顔を避けて逃げているのです」。9 主の使は彼女に言った、「あなたは女主人のもとに帰って、その手に身を任せなさい」。10 主の使はまた彼女に言った、「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。11 主の使はまた彼女に言った、「あなたは、みごもっています。あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞かれたのです。

22章 11 主の使が天から彼を呼んで言った、「アブラハムよ、アブラハムよ」。彼は答えた、「はい、ここにおります」。12 み使が言った、「わらべを手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたの子、あなたのひとり子をさえ、わたしのために惜しまないので、あなたが神を恐れる者であることをわたしは今知った」。13 この時アブラハムが目をあげて見ると、うしろに、角をやぶに掛けている一頭の雄羊がいた。アブラハムは行ってその雄羊を捕え、それをその子のかわりに燔祭としてささげた。14 それでアブラハムはその所の名をアドナイ・エレと呼んだ。これにより、人々は今日もなお「主の山に備えあり」と言う。15 主の使は再び天からアブラハムを呼んで、16 言った、「主は言われた、『わたしは自分をさして誓う。あなたがこの事をし、あなたの子、あなたのひとり子をも惜しまなかったので、17 わたしは大いにあなたを祝福し、大いにあなたの子孫をふやして、天の星のように、浜べの砂のようにする。あなたの子孫は敵の門を打ち取り、18 また地のもろもろの国民はあなたの子孫によって祝福を得るであろう。あなたがわたしの言葉に従ったからである』」。

と、アブラハムやその妻の婢に対し具体的な指示を出しており、後年に於ける「神託」の曖昧さはなく、神の使というより上司のように振る舞う

*5:この名は元来「明けの明星」を意味するので、口語訳も共同訳も共にその名で訳され、従って邦訳聖書に魔王の名としての「ルシファー」「ルチーフェロ」等は存在しない。

イザヤ書14章 12 黎明の子、明けの明星よ、
あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、
あなたは切られて地に倒れてしまった。

ヨハネの黙示録2章 28 わたしはまた、彼に明けの明星を与える。

22章 16 わたしイエスは、使をつかわして、諸教会のために、これらのことをあなたがたにあかしした。わたしは、ダビデの若枝また子孫であり、輝く明けの明星である」。

ja.wikipedia.org イザヤ書の記述は、「バビロンの王」を歌ったものであったが、カトリック教会はこれを堕天使の描写と見た。堕天使ルシファーの名が、誰もが知るまでに高められたのは、ダンテ『神曲』地獄篇の影響が大きいであろう。しかし、悪魔の王で在りながら語らず動かず泣き濡れるばかりの「ルチーフェロ」と異なり、バイロン卿のお喋りな「ルシファー」にはゲーテファウスト』のメフィストーフェレ、ひいては『ヨブ記』に於ける放浪する悪魔の姿も窺える

*6:女についても、『創世記』2章で創造され「エデンの園」に居る間は「女」とのみ呼ばれ、その名は楽園追放後に男が名付けたことになっている。

創世記2章 22 主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り、人のところへ連れてこられた。23 そのとき、人は言った。「これこそ、ついにわたしの骨の骨、/わたしの肉の肉。男から取ったものだから、/これを女と名づけよう」。24 それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。

3章 20 さて、人はその妻の名をエバと名づけた。彼女がすべて生きた者の母だからである。

*7:作者の想定ではカインの妹。神話ではカインの孫の嫁。

創世記4章 17 カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた。18 エノクにはイラデが生れた。イラデの子はメホヤエル、メホヤエルの子はメトサエル、メトサエルの子はレメクである。19 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった。

*8:同上。但し訳名は英語読みにした