ザ・ドアーズ関連の話なのでロックンロールの括りになるが、原曲はクラシックだし、どっちかというとジャズという、扱いに困る曲を一つ。
Break on Through
The Doors の1stアルバム The Doors を真面目に聴こうとしたキタダハルキ氏が頭を抱えていたが、アレはそういう音楽だ。jazz と pops が入り混じり、ロックンロールとしてまとめたツギハギ細工もいいところで、それが筆者には無茶苦茶カッコよく聞こえたのだが、解らないという人が居ても仕方ない。という筆者自身、ジム・モリソンがフランク・シナトラのファンだったと知って、改めてシナトラ聴こうとしたのだが、聴いてみると全然違うのだ。
As Time Goes By
『時の過ぎ行くままに』は映画『カサブランカ』の鍵になる曲で、シナトラの歌い方は jazz より映画的な感じというか。当の『カサブランカ』では jazz そのものだったりするのが皮肉と言えば皮肉か。
これは何れ、稿を改めよう。今回取り上げるのは、『アラバマ・ソング(ウヰスキー・バー)』の方。
Alabama Song
The Doors
You Tube でクレジットを見ると
Vocals: Jim Morrison
Drums, Vocals: John Densmore
Producer: Paul A Rothchild
Vocals: Paul A. Rothchild
Autoharp, Keyboards, Vocals: Ray Manzarek
Guitar: Robby Krieger
Writer: Bertolt Brecht
Writer: Kurt Weill
とあり、ちょっと判り難いが、ベルトルト・ブレヒトの詩にクルト・ワイルが作曲した作品(1930)。古典音楽系の文脈から出てきた割には、なんかサイケデリックな音で、取り留めもない印象は確かにその通り。原曲はもっと頭おかしいので心配しかない。
Lotte Lenya
歌っているロッテ・レーニャさんは、女優にして作曲家の妻。
in opera
ワイルの曲はオペラの一部にもなっている。色々おかしいように見えるが、オペラの一部である。
David Bowie
デヴィッド・ボウイは「ドイツの歌、ワイルの曲」と紹介しているので、オペラに近い。
ドアーズのカヴァーは、まだ素直な方だと見てよかろう。以降のロックンローラーに依るカヴァーは、だいたい「ドアーズのカヴァー」と称していて、だからカヴァーのカヴァーということになる。
Dalida
Viza
Marianne Faithfull
Oblique Noir
Marcel&Isy Project
……この酔っぱらい共が!自分は脳梗塞になってウヰスキーどころか酒類全般が呑めなくなったので、聞いているだけで悔しくてならない。ダメ元と思って内科のおじいちゃん先生に訊いたら、大きな目をして叱られたものだ。「おう、呑みなさい。また倒れてもいいのなら!」
その点では、マリアンヌ・フェイスフル女史の歌がそれらしくて良かったと思う。バンドではマルセル&イシーかな。
全く関係ないが、似たようなタイトルで物議を醸した曲もあって。ニール・ヤングへのアンサー・ソングを気取ったものの、メンバー全員アラバマに住むどころか行ったことさえなく、当のニール・ヤングも歌ったりして、実はプロレスしてただけという傍迷惑な……「『レーナード・スキナード』と読んでくれ」という連中も居たっけ……今やったら SNS やら何やらで総攻撃されそうだが…


